腰痛講習会 ーin特別養護老人ホームー

こんにちは矢島です。

 

先日特別養護老人ホームのスタッフ向けに腰痛の講習会を開いてきました。

高齢者施設のスタッフは重労働により腰痛になってしまう方が多いんですね。

人それぞれ病院に通っていたり、コルセットを使ったり、痛み止めの薬に頼ったり、工夫されています。

自主的にストレッチやトレーニングをされている方や、太極拳に通っていらっしゃる方もいました。

 

せっかく資料を作って講習会やったので、こちらのブログでも書いてみようと思います。

特別養護老人ホームの施設内年に何回かやらなきゃいけない講習会のうちの一つとしてやるので、あまり適当なことは言えません。

でも、ただただ能書きを垂れているだけの眠くなるだけのつまんない勉強会にはしたくないので、身体を使いながら効果を実感できるような場にしたいと思って臨みました。

腰痛は腰自体が悪いわけじゃなく、腰に負担を強いられる状況を作っていることが原因ですよ、というお話をしました。

 

お身体の原因としては、

①ハムストリングスの硬さ

②体幹(腹横筋)

③股関節の使い方

④胸郭の柔軟性

この辺りのことを実際に身体を使って、体感していただきながら進めました。

 

せっかくなのでを一部ご紹介します。

 

【腰痛の原因①】ハムストリングスが硬くなっている

腰痛の原因にはさまざまなものがありますが、その中でも意外と見落とされがちなのが「ハムストリングス(もも裏の筋肉)」の硬さです。

実はこの筋肉の柔軟性が、腰の動きや姿勢に大きく関係しているんです。

ハムストリングスとは?

ハムストリングスは、骨盤と膝をつなぐ大きな筋肉群です。

歩いたり、立ち上がったり、前かがみになるときにも使われる、とても重要な筋肉です。

ハムストリングスが硬くなるとどうなるの?

ハムストリングスが硬くなると、骨盤を後ろに引っ張ってしまいます。

すると骨盤が後傾し、体を前に倒しづらくなってしまうのです。

その結果

  • 前かがみの動作で、股関節ではなく腰の動きが大きくなる

  • 腰の筋肉や椎間板に負担が集中する

といった状態になります。

 

座りっぱなしがさらに悪化を招く

デスクワークなどで長時間座っていると、ハムストリングスはさらに硬くなります。

そうなると、腰の張りや痛みが悪化してしまい、慢性的な腰痛につながることも。

結果として…

ハムストリングスが硬いままだと、腰痛が起こりやすい状態になります。

日常生活で腰の負担を減らすためには、もも裏のストレッチや軽い運動で柔軟性を保つことが大切です。

 

【腰痛の原因②】腹圧の弱さ

腰痛の原因として「腹圧」の低下も大きなポイントです。

腹圧とは、体の内側に風船のようにかかる圧力のこと。

実はこの腹圧が、腰の安定にとても重要な役割を果たしています。

 

腹圧とは?

腹圧は、体幹の内側で風船のようにふくらみ、内側から背骨や骨盤を支える「天然のコルセット」のような存在です。

しっかり腹圧がかかっていると、身体を動かすときでも腰にかかる負担を分散してくれます。

 

腹圧が弱いとどうなる?

腹圧がうまくかからないと、上半身の重みを腰の筋肉だけで支えなくてはいけません。

そのため、動くたびに腰の筋肉が過剰に働いてしまい、疲労や緊張がたまりやすくなります。

また、腹圧が弱まることで骨盤が後ろに傾きやすくなり、姿勢が崩れることも。

この状態が続くと、ちょっとした動作(介助動作やひねり動作など)でも腰を痛めやすくなってしまいます。

腹圧が弱い人に見られるサイン

  • 姿勢が猫背気味

  • お腹がぽっこり出ている

  • 腰を反らせて立つ癖がある

  • 長時間立っていると腰が疲れる

こうしたサインがある人は、腹圧がうまく使えていない可能性があります。

 

【腰痛の原因③】骨盤が後傾し、股関節が使われていない

腰痛に悩む人の多くは、「腰を使いすぎている」ことが原因のひとつです。

本来、体を動かすときに中心的な役割を果たすべきなのは「股関節」。

しかし、骨盤の位置が崩れて股関節がうまく使えないと、腰がその代わりに頑張りすぎてしまうのです。

骨盤の後傾が股関節の動きを邪魔する

骨盤が後ろに傾く(後傾する)と、股関節がスムーズに曲がらなくなります。

すると、前かがみになるときに「股関節」ではなく「腰」を使って動くようになります。

本来であれば、股関節が動いて上半身を支えるはずが、

腰の筋肉がその負担を代わりに引き受けてしまうんです。

腰の筋肉に負担が集中する悪循環

股関節が使えない状態が続くと、腰の筋肉は常に緊張しやすくなります。

前かがみや荷物の持ち上げなどの動作をするとき、腰だけで動いてしまうため負担が倍増。

この繰り返しが、慢性的な腰痛やぎっくり腰のリスクを高めてしまいます。

正しい動き方のポイント

腰ではなく、股関節から動くことを意識することが大切です。

たとえば荷物を持ち上げるときは、

  • 腰を丸めず、背すじを保つ

  • 股関節から曲げて、重心を下げる

  • お尻の筋肉で持ち上げる

このように、股関節を主役にした動作を心がけるだけで、腰の負担はぐっと軽くなります。

 

こんな感じで実際に身体を使いながらの講習会でした!

座学だけだとどうしてもつまらない講習会になってしまうのですが、身体を使うと汗もかいてとてもいい雰囲気で講習会ができました。

最後に質問コーナーを設けたのですが、質問が止まらない止まらないw

それだけ関心のあることなのでしょうね。

 

そんなわけで、こんな感じの腰痛講習会でした!

僕もお話していて楽しかったです。

 

長々とお付き合いいただきありがとうございました。

それではまたっ!


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